表面処理とは?(めっきは表面処理の1つ)

この記事では、表面処理の概要について、表面処理でのめっきについて、ご紹介します。

表面処理の目的

表面処理を行う目的は、「製品に対して何らかの機能を付加する」ことです。

機能の例は、以下のとおりです。

  1. 耐食性(防錆)
  2. 装飾
  3. 耐摩耗性
  4. 磁性
  5. 表面硬化
  6. 導電性
  7. 耐熱性
  8. 低接触抵抗
  9. ボンディング
  10. はんだ付け性
  11. 電磁波シールド

表面処理の処理方法と目的

表面処理の処理方法と目的について紹介します。

この表から、めっきとは「表面処理の1種で、装飾、耐食性、耐摩耗性などを目的として行われる表面処理」であることがわかります。

処理方法主な目的
大分類中分類
清浄洗浄湿式洗浄、乾式洗浄油脂類の除去
除錆浸漬除錆、ブラスト、液体ホーニングスケールの除去、錆の除去
研磨機械研磨、化学研磨、電解研磨、化学機械研磨平滑光沢化
エッチング化学エッチング、電解エッチング、乾式エッチング表面形状の創製
ショットピーニング中・低速ショット、高速ショット耐疲労性、スケールの除去
印刷凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、孔版印刷表面加飾
ライニングスプレー塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装耐食性、耐摩耗性
湿式めっき電気めっき、化学めっき(無電解めっき)装飾、耐食性、耐摩耗性
化成処理リン酸塩処理、リン酸鉄処理、クロメート処理塗装下地、耐食性、摺動特性
陽極酸化鉄鋼への陽極酸化、非鉄金属への陽極酸化耐食性、耐摩耗性、着色
乾式めっき(気相)物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)耐摩耗性、摺動特性、光学特性
イオン注入高エネルギー注入、中エネルギー注入電気特性、耐摩耗性、耐熱性
溶融めっき溶融亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき耐食性
表面熱処理表面焼入れ、浸炭焼入れ、窒化処理、拡散浸透耐摩耗性、耐疲労性、摺動特性
溶融処理クラッディング、アロイング、グレージング耐摩耗性、耐熱性、耐食性
溶射ガス式溶射、電気式溶射耐摩耗性、耐食性、耐熱性

材料表面に生じる現象による表面処理の分類

材料表面に生じる現象による表面処理の分類を紹介します。

これらの図から、めっきとは「材料表面に生じる現象として表面に何かが載る」ことであるとわかります。

 

①表面の形状が変わる

(エッチング・研磨等)

②表面に載る(めっき、塗装)

 

 

③表面で化学反応する

(陽極酸化等)

④表面に載り、更に染み込む

(溶融めっき、拡散浸透等)

 

 

⑤表面から他の元素が染み込む

(浸炭、窒化等)

⑥表面の性質のみ変わる

(高周波焼入れなど)

 

表面処理を選択する上での注意点

表面処理を選択する上で考慮すべき注意点としては、以下のとおりです。

  1. 基材と表面処理との相性はどうか
  2. 表面処理によって基材の劣化が生じないか
  3. 基材の表面状態は表面処理に適しているか
  4. 製品や部品の使用環境に適合しているか
  5. コスト的には問題はないか(過剰品質にならないか)

まとめ

この記事では、表面処理の概要について紹介させていただきました。

表面処理を行う目的は、「製品に対して何らかの機能を付加する」ことであり、その目的に応じた様々な表面処理の方法がありました。様々な表面処理があるため、処理方法を選択する際に考慮するべき注意点も紹介させていただきました。

そして、めっきは「表面処理の1種で、装飾、耐食性、耐摩耗性などを目的として行われる表面処理」でした。めっきについては、別の記事で紹介させていただきます。

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