この記事では、クロムめっきについてご紹介します。

概要

クロムめっきは少し黒みがかった深い光沢があり、耐食性も強いめっき皮膜です。

装飾としてのクロムめっきは下地にニッケルめっき等を実施し、薄くめっき付けします。

クロムめっき品は装飾用だけでなく、工業用にも使用されます。工業用めっきはその硬さから硬質クロムとも呼ばれます

皮膜の硬さは低いですが、黒色のクロムめっきも存在します。

装飾用クロムめっきと、工業用クロムめっきの一番の違いは厚さです。

工業用クロムめっきではめっき後に研磨することもあります。

特徴

  • ニッケルめっきを下地にして、光沢のあるめっきができる
  • 大気中でさびにくい
  • めっき皮膜が極めて硬い(800~1000Hv程度)
  • 耐摩耗性が優れている
  • 摩擦係数が低い
  • 付き廻りが悪いため、低電部(凹凸のある品物の凹部など)のめっき析出が悪い
  • 電流効率が悪く、めっきが析出しにくい
  • 黒色も可能(但し、皮膜は柔らかくキズに弱い)
  • 性能は浴種によってかなり変わる。
  • 装飾用では厚みを厚くしすぎると、品物が曲がることがある(応力が強い)

 

浴種長所短所主な用途
普通浴
(サージェント浴)
・単純で扱いやすい
・濃度の高低で装飾用にも工業用にも使用できる
・他と比較して光沢弱い
・硬度も低め
・金属不純物に弱い
装飾用
工業用
触媒混合浴
(ケイフッ化浴)
・付き廻りが良い
・光沢が良い
・硬度が高い
・めっき未着部分を腐食する
・めっき設備の腐食が強い
装飾用
工業用
黒色クロム浴・黒色になる・硬度が低い(キズに弱い)
・6価クロムを多く含む
装飾用
HEEF浴・電流効率が良い
・光沢が強い
・硬度が非常に高い
・めっき未着部の腐食がない
・管理が難しい工業用

 

用途

主な用途
装飾用水栓金具、パイプ椅子、自動車のバンパー、バイク部品 など
工業用エンジン内部、大型ロール、印刷用ロール、シリンダーアーム(建築機械)

 

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