この記事では、無電解ニッケルめっきについてご紹介します。
概要
無電解ニッケルめっきは、製品を専用の化学液に浸漬して、製品表面を化学的に還元析出させることによって被覆することができます。複雑形状の製品でも均一な厚みのめっきができます。
金属だけでなく、セラミックや樹脂のような電気を通さない製品にもめっき可能です。
シャフト・ピストン・軸受け・精密機器・樹脂製品・セラミック基板・ハードディスク部品など機能用途で使われています。
無電解ニッケルメッキ加工事例
写真提供・記事引用 ”コダマ 無電解ニッケルメッキ”
特徴
無電解ニッケルめっきは一般的には、リンを含むニッケル-りんの合金メッキが1番多く使われています。
りんの含有量が低りんタイプ2~4wt.%、中りんタイプ8~10wt.%、高りんタイプ11~13wt.%があり、特性に違いがあります。
皮膜の特性 | 低りん2~4wt.% | 中りん8~10wt.% | 高りん11~13wt.% |
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析出状態 | 結晶質 | 非晶質 | 非晶質 |
磁気特性 | 磁性 | 非磁性 | 非磁性 |
皮膜硬度(Hv) | 700 | 550 | 500 |
耐食性(塩水噴霧) | やや劣る | 良好 | 普通~良好 |
耐食性 | 劣る | 普通 | 良好 |
耐アルカリ性 | 良好 | 普通 | 劣る |
耐摩耗性 | 良好 | 普通 | 普通 |
はんだ付け性 | 普通 | やや劣る | 劣る |