先日、とある方からバーベキューの網はなぜくっつきにくいのかを聞かれました。網には多くの場合にクロムめっきが施されています。
クロムめっきには大きく分けて3つの特徴があります。この特徴が肉をくっつきにくくしていると思われます。
①融点が高い
クロムめっきの融点(溶ける温度。氷ならば0℃というのはご存知かと思います)は1903℃です。鉄の融点が1536℃ですので、とても高いことがわかります。つまり高熱でも溶けないことが重要です。
②強い酸化膜(不働態膜)を作っている
この酸化膜と肉の脂によって水をはじきやすくして、くっつかないようにしています。
③穴がいっぱいある
穴がいっぱいあると穴の中に脂を保持するので、これもまた肉をくっつきにくくします。
なお、クロムが人体によくないといわれますが、あれは6価クロムというイオン状態になったクロムであり、めっきされたクロムは金属状態ですので影響はありません。(もし金属クロムがダメというのならば、ステンレスにも金属クロムは含まれており、ステンレス食器全般ダメになりますが、そんなことがないのは皆さんご存知と思います)